嫌いでいさせて

CD1 キャストインタビュー

CAST

[雫斗]斉藤壮馬さん 
[葉月]増田俊樹さん 
[京介]中島ヨシキさん 
[しずく]白石晴香さん 

(以下敬称略)

キャストインタビュー写真1

▲ 左から:中島ヨシキさん、斉藤壮馬さん、
増田俊樹さん、白石晴香さん

――収録を終えてのご感想をお願いします。

雫斗役 斉藤壮馬)

原作を読んだとき、雫斗目線で読んだこともあって、何度も落涙してしまいました。それほど素敵なお話でした。収録中も思わず皆さんの芝居にウルっときちゃって、ここはまだ泣いちゃいけないと何とか踏ん張る場面が…。そんな素敵な原作と収録現場だったので、本当に楽しくやらせて頂きました。何より物語自体に魅力がある作品というのは表現される媒体が変わっても、やっぱり素敵なんだなっていうのを改めて感じました。すごく楽しい収録でした。

葉月役 増田俊樹)

僕は、オメガバースの作品は初めてだったので、新しいことに挑戦する気持ちで収録に臨みました。現場でも斉藤さんや中島くんに、改めて世界観や、アルファ・ベータ・オメガの確執、その世界での常識など、いろいろと教えてもらいました。おかげで、僕がイメージしてきた世界観はとても狭かったなと気づかされました。途中、いろいろ障害が出てくるんですけど、それが当たり前、普通だと思われている社会常識を乗り越えないといけないという、かなりハードな環境でした。なので演じる際、怒りや悲しみや焦りなどをただぶつけるのではなく、自分の中で咀嚼して出していくという作業を繰り返す収録でしたね。

京介役 中島ヨシキ)

まずは、斉藤さんがママになる日が来たんだなって(笑)。我々世代も、子供がいる役をやる日が来たんだなって思いました。家族ものや親子ものって、胸を打たれるものがあるじゃないですか。そのうえ、しずくちゃんが本当にいい子で、ママ、ママって慕いつつ、小さいながらもママを守ろうとするので、つい感情移入してしまって「はじめてのおつかい」を見ているような気持ちでした。深夜に一人でお酒飲みながら原作を読んだんですけど、普通に泣いちゃって、人に見せられない状態になりましたね。京介としてというよりは一読者として感動しました。収録中も泣きそうになって、逃げるようにブースを出ることも…。オメガバース作品は、題材的に深刻になる話が多くて、特にオメガはしんどい目にあいがちですが、この話はしずくちゃんという救いの存在がいて本当に良かったなって、ちょっと和みました。

しずく役 白石晴香)

雫斗さんと葉月くんの純愛が本当に素敵だなぁ~と、原作を読ませていただいた時に一番にそれを思いました。今回、オメガバースというジャンルを初めて知ったんですが、それぞれの性の苦しみだったり葛藤だったりがある中で、周りで支える人がいて、いろんな苦しみを乗り越えた先に、二人の純愛があるというのが本当に温かくて、私も読みながら泣いてしまいました。この作品において、しずくちゃんがとても重要な存在だと思ったので、子供らしい部分やしっかりした部分、大好きなママを思う気持ちや子供の自分にはできないから委ねざるをえない葛藤など、一生懸命演じさせていただきました。皆さんと一緒にお芝居をさせていただいて、改めてほっこりする作品だなぁと思いましたし、とても印象深い収録でした。

キャストインタビュー写真 斉藤壮馬さん

▲ 斉藤壮馬さん

――ご自身が演じられたキャラクターのご感想をお願いします。

斉藤)

雫斗は、オメガということもあってかなりつらい境遇に置かれている人でした。今回、原作を読んですごく思ったのが、雫斗くんって自分に目を向けているというよりも、しずくちゃんに目を向けていて、自分のつらさだけを嘆いている人ではないってことです。もちろん当人のつらさっていうのは当人しかわからないですけど、雫斗くんはまだ若いながらも不幸ないきさつから授かったしずくちゃんを本当に愛していて、大切に育てていて、一緒に生きようとしているところがすごく素敵な人だなと思いました。とはいえオメガバースの世界観上、オメガであるがゆえに生きづらい部分もあるわけで、原作を読んだとき、一読者として何とか幸せになってほしい!っていう気持ちでいっぱいになりました。つらい状況にもかかわらず、変に屈折もしてなくて、大事な誰かのことを考えられるなんて、本当に強い人なんだなって思いました。

増田)

葉月はとても純粋な人だと思います。世間の常識や、周りの人たちにも流されない、自分の意志をしっかり持っている人です。自分の感じていることを大事にしていて、正しいと思うことや気持ちが悪いと思うことに素直で、簡単には諦めない。自分の感情や考え方より、置かれている立場を大事にしている人が多い中で、彼だけは理性的。というより、ある意味、本能的なんですかね。本当に好きな人、運命の人と出会ったことで、自分の直感というか、大事にしたいという本能を優先する。大切な人のために、ひたすら前を向いて走っている感じでした。彼自身はまだ本当の困難にぶち当たっていない気がするので、これからどうしようもない困難にぶち当たった時、今までは見られなかった彼の本質、汚い部分や人間らしい部分などが出てくるんじゃないかなと思うので、今後の彼を見てみたいです。僕自身、収録の時は感じるままに演じていましたが、高校生らしい子供の部分を残しつつ、いい意味で価値観が凝り固まってない純真な部分を大事にしました。

中島)

京介は、まだそこまでは掘り下げられてはいませんが、葉月がピンチの時に電話するのは京介なんだなっていうところがあって、葉月にとっては気心知れた親友なんだろうなと。京介はわりと軽いイメージですけど、わざわざ雫斗のところに出向いてって、葉月は悪い奴じゃないんです、とフォローする友達思いの面もあって、かっこいいなと思いました。今回、木村さんがファインプレーだなと思うシーンがあったんですけど、京介も二人を助ける一人になっていたので、良かったな、と。京介としては、葉月が動き出すきっかけになったり、二人の橋渡しをしたりという役どころだったので、演じていてとても面白かったです。

白石)

しずくちゃんは、とにかくママ思いのしっかり者で、でもそれはしっかりしようと意識しているわけではなく、大好きなママを守るためで。冒頭に朝ご飯を作って起こしにいくシーンがあるんですけど、こんな5歳児いないぞと、すごく可愛くて愛おしくて…。葉月くんの「しずくちゃんはアルファなんじゃないかな。本能的に大好きなママを守りたいから、しずくちゃんは小さな体で頑張ってたんだよ」というセリフがあるんですが、確かにそうだなって。ママが周りからどう見られているか、ママがそのことをどう思っているのかを全てわかった上で守っていて、あの年齢で出来る行動ではないな、すごい子だなと感じました。それに、自分では力が及ばないから葉月くんに「ママを守ってよ」と一生懸命話に行く勇気もすごいですし、考える力と勇気のある魅力的な子だと思いました。

キャストインタビュー写真 増田俊樹さん

▲ 増田俊樹さん

――お気に入りのシーンや聴き所を教えてください。

斉藤)

トークCDでも話したんですけど、葉月くんが雫斗に「噓つき」っていうシーンが、自分的にはグッときました。増田さんもおっしゃってましたけど、葉月くんってスパダリの才能がすごくあると思うんですよね。とは言ってもまだ17歳なので完璧超人ではなく、真っ直ぐな思いで向かってしまう部分があって、もしかしたらもっと成長したら出ないような感情の揺らぎみたいなものが、あの「噓つき」には出てしまったのかな…と。そこが逆に惹き付けられました。あと、しずくちゃんが葉月くんのところに行って「しずくじゃ、ママになにもしてあげられないから、ママを守ってよ」っていうところは、原作を読んでてもすごく感動しましたし、まだ年相応の繊細さを持っている葉月くんを上回るくらいのスパダリ才能をしずくちゃんに感じて、とてもグッときましたね。

増田)

良いシーンはたくさんありますよね。斉藤さんの言っていた葉月としずくちゃんの掛け合シーンも素敵ですが、僕が選びたいのは、葉月が自分の腕を噛んで衝動をおさえるシーンです。葉月の本気度が分かる象徴的なシーンなので。だって、ヒートになったオメガがいたら、ベータすら我慢できない100人中100人が抑えきれない衝動を、アルファの葉月が、ましてや運命の番にも関わらず、数ミリ残った理性というか大好きな人を大事にしたいという思いで耐えるという。実際はその時のことは覚えていないくらいでしたけど…。自分の中の本能を上回る本能で、そうならないようにしていたという、それだけ葉月の想いが伝わるシーンでした。二人はハッピーエンドで終わっていますけど、それは簡単なことではなく、こんな想いがあってこそ乗り越えられた関係なんだということが印象的なシーンでしたね。

中島)

いろいろあるんですけど、僕的には、しずくちゃんがチャイルドシートで「おんなのかんよ!」というシーンがお気に入りです。シリアスというか深刻なお話のなかで、ああいう可愛いシーンがちょいちょいあるのも魅力ですよね。

白石)

私は、木村さんがすごく気になる存在でした。どういう経験をしてきたら、木村さんみたいになれるんだろうと思います。オメガに対する理解だったり、アルファっぽく見えない穏やかさだったり、学生のそばにいて教師ではないけれども一番生徒を見ている用務員さんという存在も気になります。お話のなかで、木村さんみたいな人格者がいたのはとても救いでした。一言一言が雫斗さんの苦しみをわかってあげられる人の言葉だなというのが感じられて、しずくちゃんを演じさせていただいた私的には、木村さんわかってるぅ~みたいな気持ちで見ていました。なので木村さんのシーンはぜひ聴いて欲しいです。

キャストインタビュー写真 中島ヨシキさん

▲ 中島ヨシキさん

キャストインタビュー写真 白石晴香さん

▲ 白石晴香さん

――雫斗はしずくちゃんのママとして、家事をこなしていましたが、みなさんの得意な家事や苦手な家事を教えてください。

斉藤)

僕は、得意な家事は料理で、苦手な家事は掃除全般ですかね。苦手っていうか嫌いです。やることはやるんですけど、面倒だなって。料理も作るのは好きなんですけど洗い物が本当に嫌で…。でも自粛期間中、料理と平行して片づけも終わっていると気持ちいいってマインドに切り替えたら、だいぶヤル気になりました。少ない洗剤で洗うぜ、水道代も節約して、と課題をこなすみたいにしたら気分的に楽になりました。その考え方って家事全般に応用がきくとは思いつつ、掃除に関しては、許されるのであれば一番高いルンバとか買って自動でやって欲しいとか思っちゃいますね(笑)。

増田)

全部苦手ですね。自分の中で出来ることをやっているってレベルなので。つい最近2メートル級の観葉植物を買ったんですが、育て方を聞かなかったので水の目安がわからなくて、どれくらいあげればいいんだろ?って。ヘタってきたらアウトだなという感覚でやっているので、水やりすらも上手くいかない…。料理も作るんですけど、必要だからやる程度で得意とは言えませんし。洗濯も畳むのが面倒くさくて。掃除も始めると楽しいんですけど、始めるまでが億劫で…。でももしかすると掃除が好きかもしれないですね。

斉藤)

確かに1個ずつこなしていく楽しさみたいなのはありますよね。毎日継続してっていうのはムズイですけど。汚くなったら掃除するみたいな感じですよね?

増田)

そう!やらなきゃいけないなぁって思いつつギリギリまでためちゃう。逆にそこからキレイにすると、達成感があって嬉しくなる。なので得意な家事は掃除ですかね(笑)。

中島)

一人暮らしですからね。得意うんぬんではなくて、やらなきゃいけないという…(笑)。でも人間、やらなきゃいけないって言われると途端にやりたくなくなりますよね。だから、洗い物がでるのが嫌で、ウーバーイーツを頼んじゃうときもあります(笑)。でも、家事全般、嫌いじゃないですよ。ご時勢柄、家にいることが増えましたから、ほぼ自炊なんですけど、必要に迫られて…だともったいないので、毎日やる料理なんかは楽しむようにしてます。自分の食べたいものを好きなだけ作れるのが自炊のいいところですよね。ただ、家で食べるご飯は普通に美味しいんですけど、外で食べるご飯と何でこんなに違うんだろうって思うことがあります。やっぱり外で食べるときは雰囲気も込みなわけで、環境とか一緒に食べる人とかって大事なんだなっていうのを、一人でテレビを見ながらお酒片手に感じつつ、「あぁ、これが寂しいということなんだな」ということに気付けました(笑)。あと、苦手というか、面倒くさいなって思いながらやってる家事といえば、乾燥をかけ終わったタオルを畳むことですかね。洗濯機の扉を開けたら畳まないといけないから、乾燥が終わって30秒くらい眺めてるんですよ、決心がいるんで。ちょっと後にしようかなぁ、みたいな(笑)。

白石)

料理は得意というか好きですね。和食も洋食も作ります! 今、便利なグッズがたくさん出ているので、楽をしつつ自分の好きな味を探して作っている感じです。でも、慣れるまでは量の調節が難しかったです。一人暮らしを始めた頃は、「あれ? 1人分ってどれくらい作ればいいの?」って。実家のときは4人分だったので、つい同じように多く作ってしまっていました(笑)。最近はインスタグラムに上がっているようなちょっとおしゃれで可愛い映えな料理を目指して挑戦しているんですが、「何だこれ、茶色いな」みたいになって(笑)。いつかは映えな料理もできるように頑張ります! 苦手な家事は洗濯です。元々はそんなに嫌いじゃなかったんですが、ドラム式の洗濯機をようやく購入してお洋服を洗濯したところ、シワシワになって出てきて…びっくりしました。縮んではいないんですけど、アイロンをかけないと着れないという…。そのせいで、洗濯にちょっと苦手意識をもってしまった今日この頃です。

キャストインタビュー写真 斉藤壮馬さん、増田俊樹さん

▲ 左:増田俊樹さん 右:斉藤壮馬さん

キャストインタビュー写真 斉藤壮馬さん、増田俊樹さん

▲ 左:増田俊樹さん 右:斉藤壮馬さん

――最後にドラマCDの発売を楽しみに待っているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

斉藤)

原作を読ませて頂いた時に、一読者として本当に素晴らしい作品だなと感じて、その音声化に携われたことが嬉しかったです。今回はある意味、ハッピーエンドというか、一旦、落ち着いておりますが、原作はまだ続いているということなので、ドラマCDも続きが出せるといいなと思っております! ぜひ原作とあわせてCDも楽しんでいただき、応援していただけますと幸いです。よろしくお願いします。

増田)

原作を読ませていただいて、その上で何を大切にしていこうかと、みんなでコミュニケーションをとりつつ臨んだ収録です。原作にある人と人との関係性、そして彼らの置かれている世界観の中でもがき苦しんでいる部分を、僕たち自身、原作に負けないくらい頑張って取り組ませていただきました。なので、原作同様ドラマCDもご堪能いただけましたら嬉しいです。原作は2巻も発売されているので、まだ原作を読んでいなくてCDから入った方がいらっしゃいましたら、原作1・2巻も手にとっていただき、作品世界をより体感していただけましたら幸いです。

中島)

とってもいいお話です。オメガバースなので性差別なども出てきますが、この作品はそれ以上に、恋人同士の愛情や家族愛が描かれているので、あったかい気持ちになれる作品です。みなさんにもそういうあったかい気持ちを感じていただければ。原作は2巻もでているので、2巻のドラマCD化も願っていただけると嬉しいです。

白石)

原作ファンの方々は、ママ思いでしっかりもののしずくちゃんの魅力は充分にご存知だと思うので、何とか皆さんのイメージに合ったしずくちゃんになれるよう、私なりに頑張りました。なので、楽しんでいただけると嬉しいです。私自身、ママとしずくちゃんのほっこりするやりとりや、雫斗さんと葉月くんの純愛を聴いて癒されつつ、性に対して改めて考えさせられた作品でした。愛や友情はもちろんのこと、周りで支えてくれている人たちの温かい想いなど、とても素敵な作品なのでいろんな方向から楽しんでいただけるドラマCDになっているかと思います。何度でも聴いてほっこりしていただければ幸いです。私も続編のドラマCDがでることを心待ちにしておりますので、ぜひ応援してください。

キャストインタビュー写真 斉藤壮馬さん、増田俊樹さん

▲ 左:斉藤壮馬さん 右:増田俊樹さん

――ドラマCD「嫌いでいさせて」初回限定 描き下ろしマンガ小冊子セットは、2020年11月4日発売! どうぞお楽しみに♪

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